ドアを開け
泣き声を頼りに
足を進める。


視界の隅には
彩り豊かな夕食。

しかし俺たちが
これに手をつけることは
無いだろう。


和室を見れば
なにやら写真を握りしめて
泣いているユウを見て
俺は確信する。



こいつも俺と同じだろう、と。



そして俺が帰ってきたことさえも
気づいていないユウに声をかける。




「ごめんな、悠太。
もう終わりにしよう。」