ちょっと話が逸れたな、
まぁ、そんな感じで僕とカズは
言葉通り、一緒に育った。

でも別々の高校に行くことになった。
理由は簡単だ。
カズは頭がよくて、僕は違う。
カズは運動、特にサッカーが得意で、僕は違う。


カズは県外の頭も良くて
サッカーに力を入れている高校に。

僕は県内の頭もそこそこで
なんの特徴もない高校に。

最初はすごく嫌だったんだけど
カズの人生を僕なんかのせいで
ダメにしたくなかったんだ。


そう思っていたのに、
カズが引っ越す直前になって
カズのことを引き止めちゃったんだ。

カズは泣きじゃくる僕に
「俺はいつだってお前のそばにいるよ」
って言って頭を撫でてくれた。


泣くなんてあれで最後だって思った。
中校を卒業して高校生になるやつが
泣くなんて恥ずかしいけど
それぐらいカズと離れるのが嫌だったんだ。
僕が決めたことのにね。



でも今思えば無理にでも
引き止めればよかった。