カズ、フルネームは佐々山和樹[ササヤマカズキ]
カズって呼ぶのは僕だけ。
僕の事を悠太って呼ぶのもカズだけ。
他の人は僕の事をユウって呼ぶ。
僕の幼なじみ。
歳も同じで、家もお隣さんで
名字までが似ているもんだから
新学期、僕は必ずカズの前の席だった。
幼稚園からずーーっと一緒だった。
親同士も仲が良くて
お互いの家にしょっちゅう泊まっていたから
僕の家にカズのものはたくさんあるし
カズの家にも僕のものはたくさんある。
カズと僕は2人で1つ。
何をするにも絶対一緒。
洋服も持ち物も髪型も髪色も
ぜーーんぶ一緒。
僕達が通っていた小学校には
制服がないから
毎日お揃いの服で登校してたら
クラスの子に
「何でそんなに同じなの?変なやつー」
って言われた。
そしたらカズが言ってくれたんだ。
「俺とユウはすんごい仲良しだからだ!
これからもずーーっと一緒にいるんだ!
お前らがユウをイジメるなら、
俺がユウを守ってやる!」
同じ環境で育ったのに
僕は運動も勉強も得意じゃなくて
友達作りも苦手だった。
カズは運動も勉強もできて
クラスの人気者だった。
ちょうど僕なんかがカズの隣にいてイイのかな
って思ってたときだったから
すごく嬉しかった。