―――



「……んう…」



目が覚めた。今までずっと寝てたのだろうか。



今は世界史の授業らしい。センセーが不良達に怯えながらブツブツ何かを言っている。



ところで。


―――井上は、どこにいるのかな。



カーディガンの袖で目を擦りながら辺りをキョロキョロ見回す。



あのキョーレツがいない。



なんとなく寂しくなった私は、周りの不良たちに聞くことにした。




「あの、山田くん。井上愛果知らない?」


「俺、田中だけど……地味子ならさっき、 恭汰さんたちに連れられてったぞ?あの恭汰さんたちにな」



「きょーたさん?誰……ま、いいや。ありがと、山田くん」



なるほどね。連行されたんだ、井上。



リンチとかじゃなきゃいいんだけどね……