今度こそ危ないっ!!


そう思ったのもつかの間で、圧倒的に押しているのは辰巳くん。



相手の手や足なんてかすることも無く。


だけど、……ならなんで、さっきは何もしなかったの?


分からない。

辰巳くんが分からないよ。



「うぅ……」


呻き声を上げてヤンキーは、地面に横たわる。


だけど、辰巳くんは動く足を休めない。

間違いない。



きっと辰巳くんは、喧嘩なれしている。


傷つけることに何の躊躇いもない。



なんで、なんでそんなに冷たい目をするの?