怖いよ。
怖い。怖い。怖い。
辰巳くん。
助けてよう!!
だけど、どうしても声にならない。
柄の悪いヤンキーの息は段々と荒くなってきた。
この一つ一つの表情に悪寒を感じる。
怖いよ。怖いよ。
何度も吸ってるからか、染みついいたタバコの匂い。
喧嘩しかしてないからか、そこらじゅう傷だらけの体。
無理やりつけまくった臭い香水。
そして、耳のピアスに竜のタトゥー。
妙にセットされた髪型。
私に触れないでっ!!
なぜが、この柄の悪いヤンキーが触れることで私が汚れていくような気がして。
辰巳くんもいるのに!!
止めてよっ!!
段々と、視界がボヤけていく。
目にたまった涙が溢れてきた。
だけど、声は出ない。
抵抗することも出来ない。