けどその問題はすぐに解決した。


どうやら転校生木下くんは私と琉司の関係を誤解しているらしい。



多分彼は琉司と行動を共にしていいのか迷っていたんだ。



その証拠に「じゃあ、昇降口まで…ならいいかな?」



なんて遠慮がちに私に聞いてきた。



私としては昇降口どころか、木下くんこそ琉司と共に帰って貰いたいぐらいだけど、そんな事琉司の前では言えなくて、


結局曖昧な態度を木下くんにも琉司にも取ってしまっている。



「おーい、ふたりとも置いてくぞ!」




琉司の声が誰もいない廊下に響き渡る。



何が適当な理由、みつからないかな?



もうこれ以上琉司を振り回したくない私は、木下くんが琉司の後を追って教室を出て行くのも気付かずに、そんか都合のいい事を考えていた。