それにしても、転校生、木下くんはぼーっとしていて私の話をちゃんと聞いているのか怪し過ぎる。
ぼんやりと私を見詰めたりして、どういう事なんだろ?
だから、彼の顔の前で手をひらひらさせてみた。けど、少しの間無反応って……。
彼、木下くんは大丈夫?
そう言えば、なぜ学校に来ていたのに教室には顔を出さなかったんだろ?
そんな疑問がいつの間にか私の胸の中に脹れ上がっていた。
「あのー、大丈夫?木下くん……」
恐る恐る声を掛ければピクリと肩を振るわし驚きを露にした木下くん。
なんだかその反応って、嫌味だな。なんて感じてしまった。
私を化け物みたいに思ったのかな?
驚かすつもりもないのにこの反応ってやっぱりどうなんだろ?
とにかく、一通りの説明は終わった。
私はともかく、この場から離れたかった。
琉司にまた声を掛けられる前に出来れば……。
「あのー、一通り説明さしたから、帰っていいかな?」