「あっ、藤井ちょっといいか?」



目を逸らしたにも関わらず先生は私を呼び止める。



やっと頼まれた仕事が終わったばかりなのに…、


まだ帰れないのかな?




一応仕方なく「えっ、先生、何?」なんて聞きながら、先生の元へ歩み寄る。



なんか企んでるようなそんな表情をしたから、あーあまた何かたのまれるのかな。なんて直感してしまった。



案の定、いつものように手招きされて先生の元へ行けば、「藤井、もう一つ頼みたいことがあるんだけど…」と話し始める始末。



とことん抜け目のない先生だな。なんて呆れるのを通り越して感心してしまう。