ユミに連れられて入ったカフェは、内装が可愛くてなんだか気分がほっこりするお店だった。
ユミはミルクティー、わたしはカフェモカを頼んで一息つく。
最初のほうは学校の話をだらだらとしていたけど、話が途切れた瞬間、わたしは思い切ってさっきのことを聞いてみた。
「ねえ、さっきの漆坂って人…」
「あぁーはいはい、なに? よこたん惚れちゃった?」
「いやいや、そんなわけない!!」
「じゃあなによー!」
「あの人、なんかあるの?」
ユミは持っていたマグをテーブルに置いた。
「なんか、ってどういうこと?」
「ユミ、さっき漆坂を見て意味深な顔してたし」
「え、なになに、それってこんな顔?」
ユミはおちゃらけるように変顔をしてみせた。
いつもなら笑うけど、わたしは漆坂のことが気になってしょうがなかったから笑う余裕も無かった。
それをユミは察して、静かに話しだした。