「ん?どうしたのよこたん」
「なんだろう…。なんか、この人怖い…」

ユミは漆坂のほうを見る。
すごく、真っ直ぐでなんでも見透かすような目。



「あぁ…」


感情が篭っていない、無機質な声。
どんな意味の「あぁ」なのかさっぱり分からない。
わたしは、たまにユミのことも怖くなる。

「ユミ?」
「まあまあ、はやくカフェ行こっ!」

ユミはにぃっと笑ってわたしの手をひいた。
慌ててユミについていく。