どん、と鈍い音がして人とぶつかった。

「すいません!」

すぐ謝ってぶつかった人を見る。
なんだこの爽やかイケメン…!
すらっと背が高いスーツ姿の男性だった。
ジョニーズの生徒と引けをとらない、というか、それ以上のかっこよさ。
年は20代後半ぐらいで、大人の男性の魅力もあって…
とにかく、素敵な男性だ。

わたしは慌てて走り去る。

「ねえ、ちょっと待って!!」

呼び止められ、振り返るとその人はわたしのスマホを手に持っている。
さっきぶつかったときに落としたらしい。
さっき以上の慌ただしさで、その人のところへ戻った。

「何度もすいません」
息を整えながら謝る。

「いえいえ、はいどうぞ」
「…ありがとうございます」
「君、星皐の生徒さん?」

彼はわたしの制服を刺して言った。

「あ、はい。そうですけど…」
「オレ、来週から星皐に赴任になるんだ。これでも一応教師でね」
「ええええ!!」

わたしは大きなリアクションを取る。
だってほんとうにびっくりしたし。