教室に戻ると、なんだか異様に騒がしい。
近くにいた男子に話を聞くと、どうやら事件が起こって先生が緊急職員会議を開いたので、授業が自習になったらしい。

「うへー、どんな事件?」
ユミが顔をにやつかせながら男子に聞く。
まったく、ユミもミーハーだ。

「なんか裏庭の隅っこに、血だまりができてたらしいぜ。最初は演劇部とか映画部の作り物かと思ってたらしいんだけど、調べてみたら正真正銘の人間の血なんだって」
「こわっ、何それー」
「あ、占ってみればいいじゃん、ユンメイ先生!」
「まったく、あんた占いってもんがわかってないね!占い師は超能力者じゃないっつーの!」

ユミが男子とじゃれあってるのを、少し呆れた目で見ていると担任の先生が教室にどかどか入ってきた。

「もう噂がまわっているだろうけど、今日はもう授業を終わります。みなさん気をつけて下校してください。」

クラスのみんなは早く帰れることに興奮し、クラスが湧いた。
家に迎えの車を頼む人や、遊びにいく計画をたてる人など様々だ。
わたしもそそくさと帰る準備をしていると、ユミが話しかけてきた。

「よこたんはどうやって帰るー?」
「うーん、電車で帰ろうかな」
「タクシーとかじゃなくて大丈夫?」
「大丈夫だよー、3駅ぐらいだし。ユミは?」
「タクシーで帰って、お店手伝おうかな」
「そっか、じゃあ校門まで一緒に行こう」

校門でユミと別れ、一人で駅の方へ歩く。
わたしも親の手伝いでもしようかな…と考えながら歩く。

「わっ」