『!、え、年上だったの?』

新は、思わず手で口をふさぐ。

『はい、あ、私小さいので、よく中学生に間違われますが、立派に17ですよ』

頼子は、笑うが、新の心境は、一転していた。

彼は、今まで、一つでも年上の女の子と付き合あった事がない。

新は、誕生日が遅く、現在彼は、まだ16だ。

頼子の長い黒髪を少し暖かくなった風が揺らしながら吹き抜けた。

『とりあえず、連絡先を、、』

彼女は、取り出したメモ用紙にすらすらと几帳面な字を走らせる。

俯いたレンズの隙間から優しくまつげが伸びている。

『、、、字、綺麗だね』

はっとする頼子をよそに、新は、まじまじと手元を見ていた。

少し明るめの髪が西日に煌めく。

テキパキとメモ用紙を畳むと、それを新に渡した。

それから、彼女は、言葉少なく
では、、、と一言つぶやくと、小さく頭を下げて校舎裏をあとにした。

新は、頭を抱えながら携帯を開いて、メールと着信の確認をしてからその場をゆっくりと歩きだしだ。