「……教えて欲しいなって、テニスを教えて欲しいなって思って言っただけ
改めて言うとちょっと恥ずかしいから、言わなかったんだよ」
「え、テニス?なんだ、そんなこと?」
あたしは予想もしてなかったから、驚いた
「いや、一緒にやりながら、教えてもらえたら楽しそうだなって…
テニス興味あったから」
りっくんと一緒にやれるなら、絶対楽しいに決まってるよ
「いいね、楽しそう!ナゴくんとか沙羅もかみんなを誘ってやろうよ!」
「…そういう意味じゃなくて、2人でって意味だったんだけどな…」
りっくんの声が小さくて、あたしは、その言葉が聞こえなかった
「え?なんか言った?」
「いや、楽しそうだなって」
なんだろう、違う言葉を言った気がするんだけど、あたしの気のせいかな?
「あ、若の家ってここ?」
「え、あ、そうだよ」
あっという間に着いてしまった。
話に夢中で全然気づかなかった
「…じゃあ、また明日な」
「あ、送ってくれてありがとう
気をつけてね、あ、そうだ!帰ったら、連絡して?心配だから」
「ははっ、それって男が女に対して言う事だろ?」
「そ、そうだけど、心配だもん」
りっくんが笑い出して、あたしも自然と笑顔になる