キーンコーンカーンコーン。
キーンコーンカーンコーン。


予鈴が鳴った。


お昼ごはんも食べ終わり、教室に向かった。


ガラッ。


教室のドアを開けたそのトキだった。


「夏野さんっ!」


若宮くんが私の後ろから飛んできた。


そして後ろを振り返ると、なぜか黒板消しを持った若宮くんがいた。


「なに。」


私は不審な目をして言う。


「黒板消し、落ちてきたんだよ。」


はぁ?黒板消し?


私は疑いのオーラをだしながら、なぜかクラス全体を見渡した。


すると、クスクスと笑っている女子たちがいた。


なるほどね。


理解した私。


内村だ。


内村のグループがドアに黒板消しをはさんで、私が来るのを待ってたんだ。


そして私が入ってきたら、頭に黒板けしが落ちるような仕組みになってたと。


しょーもな。


私は若宮くんがいる後ろに振り返った。


「ほっといてよ、別に私、守ってもらいたくなんかない。」


そう、私は言った。
あれ、なんだろ。
変な感じ。


「……ご……めん。」


黒板消しを受け止めたあとのままの若宮くんは、謝った。


「別に、謝んなくていい。」


私はそれだけ言って、自分の席に向かった。