「だからさ、真音」 僕は足を止めて振り向いた。 「気が向いたら真音も来てよ、音楽室に」 返事は聞かなかった。 来るか来ないかは真音の自由だ。 それに、無理強いをして真音を苦しめるのはもっと嫌だった。 真音の家が見えてきたところで僕らは別れた。 むかしと変わらない、少しアンティークなおしゃれな家。 「送ってくれて、ありがと。今日は楽しかったね!…じゃあね」 そう言って、真音は家に入っていった。