僕は、真音を救えるのだろうか。

今まで聞けなかったことは、今日聞かなくちゃ。

真音の、救いに僕がなれたら、ってそう思った。


「真音、僕の知らない間はどうしていたの?何をしていたの?」

「お母さんの田舎に行って、耳の治療してた。環境が変われば、良くなるかもしれないって言われたから。

耳はよくなったわ。でもバイオリンは私を拒絶した。

私は結局、一人ではなにもできない。音楽が苦痛でしか感じなくなってしまったの。

私はね、翼。もう一度音楽をやりたいの。不可能かも、しれないけれど。あなたと、一緒に」