「それで私は、思ったの。また、バイオリンが弾けたらって。弾いてるうちに、また音がとれるようになるんじゃないかって」
「………それで、僕の前に現れたんだ…」
「うん、そうなるかな。翼なら、また魔法をかけてくれるんじゃないかって思った」
真音は僕に笑いかけた。
あの頃と、変わらないあの純粋な笑顔を。
「僕は…魔法使いなんかじゃない……。真音が、苦しんでいるのを気づかなかったんだよ?」
「それでも、私は翼とまた弾きたいの」
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