「ないなら、全然いいの。ちょっと、思っただけ」 自嘲気味に笑う真音に、僕は言う。 「怖くないって言ったら嘘になるよ。でも、それでも僕は続けたんだ。きっと、怖いって気持ちよりも好きって気持ちの方が大きいんだと思う」 確かに、ひとりきりで弾いてたときは、寂しかったし怖かった。 真音がいなくなってから、怖いって思うことがあった。 「真音は、怖いって思う?」