おはよー、と言う声が聞こえる道を、
私は、1人で歩いて行く。
……あ、寂しいかも…
友達がまだ居ないから仕方ないけどね。
流石にこの道は、辛いな……
この道、友達とか、カップルが多いし
私は1人、向きを変えて歩き出す。
細い道を通って、川原の方へ出る。
転校かぁ……
ピロリンっ
携帯を見るとメールが一件。
<おはよっ、めぇは、今日から学校だっけ?新しい学校がんばれ! なみ>
前の学校の友達、なみからだった。
すこし、その内容にニコッとしていると、
「ふーん、そいつ、他人事だな」
はっ⁈
ふと後ろから声がした。
もちろん、私には知り合いは居ないわけで、しかも、人のメールを勝手に見るなんて!
私はくるっと後ろを向くと、
「ちょっと、あんたねぇ……‼」
こっこいつ………
背が高い…
その大きさにほけっとしてると、
「なんだよ、俺がかっこ良くて惚れた?」
と、意地悪な顔で笑う男。
……あっ
「確かに美形ですね」
背の大きさに見惚れて顔を見てなかった私は、その人の笑顔に関わらずつい、ポロッと言ってしまった。
するとその人は突然顔を伏せた。
「え?」
「ちょっ、そんな顔でそんな事初めて言われたww」
「そんな、顔?」
私はムッとした、
この人、失礼だ!
人の顔見て笑うなんて‼
その人はふと、めいを見ると
ふっと笑った。
「あんた、面白いね」
え。え?面白い?
そう言うあなたが面白いですけど?
「まぁ、すぐに食べられそうだけどな…」
めいは、考えてるせいで、その人がボソッと言った事は聞こえてなかった
「俺、神谷 幸季。あんたは?」
「あ、私は結城 愛衣。」
「ふぅん、めいね、よろしく」
「あ、うん、よろしく神谷さ「幸季」
「え?」
言葉を遮られ、キョトンとする、私。
「幸季で良いから」
「幸季さん、よろしくお願いします」
「さん付けやだ」
へ⁈なんなの?この人!
初対面で呼び捨てできる方が凄いわ!
「幸…季……」
彼氏もろくにできた事がない私が男子を呼び捨てなんて、すごい事……
「うん、よし!」
でも、にっこりと笑うその人を見て、私は、別にいいやって、思えた!