苺ちゃんはいそいそと胸のリボンを解き、態々縦結びに結び直した。
「あぁっ!壱吾クン、ここも曲がってるぅ!」
……浅はか。
「……自分で直せ。」
それだけ言ってさっさと歩いて行ってしまった壱吾クン。
冷静だ。
いやいや。
バレッタが気になって無意識に手が出たものだが、指に残る髪の感触に動悸が治まらない壱吾クン。
バレッタも案の定似合って、苺ちゃんはカワイイし。
気恥かしくなって、逃げた。
そんなやり取りの一部始終を遠巻きに見ていた一同
(((……バカップル……)))
内心をそんな言葉がぐるぐる旋回していたことなど二人は知る由もない。
end/chapter*5
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