「壱吾クン、コレどぉ!?昨日わたしの前を歩いていたそそっかしい誰かさんがうっかり露天商で忘れてったモノなんだよー。誰か知りたい!?えっとね、なぞなぞで~す。数字で表すと1と5、なぁんだ?わたしと同じ名前かもー。」
もはや気付けといわんばかり。
しかしそれがバレたら、返せ、と言われる事をすっかり忘却している苺ちゃんだ。
よもや
『これ、本当は誰にあげるつもりだったの…?』
などと心を痛める展開もナシ。
ナゼって、これがオポンチ極まるラブコメですから!
モチロン、壱吾クンがそんなことを言うはずもなく。
「……ああ。」
え~。それだけぇ?
相変わらず素っ気ない壱吾クンの反応に苺ちゃんは口を尖らせる。
似合ってる。カワイイよ。(にこっ)を想定していた苺ちゃん。
いやいや、苺ちゃん。
壱吾クンに無理難題を吹っ掛けるのは妄想内ダケにしておきなさい。