苺ちゃんはポケットからいそいそとノートを取りだして、今の事を書き込んだ。
表紙が苺柄のそれはズバリ
『壱吾クン・まるハダカ情報』ノート。
そこはせめて『まる秘』とかにしなさいよ……。
このノートを壱吾クンの赤裸々なプライベート情報で一杯にするのだ。えっへん。
苺ちゃんは敏腕記者にでもなった顔で、徐に壱吾クンを観察しだした。
そして目が止まったのは壱吾クンの持つお弁当。
「壱吾クン、卵焼きは甘い派?しょっぱい派?」
「…別に」
「から揚げはスキ?」
「…別に」
「ミートボールは?」
「…別に」
「タコさんウィンナーは?」
「…別に」
苺ちゃんは色々聞きだし、よし!と意気込んだ。