壱吾クンはよくiPodで何かを聞いている。


どんな音楽を聞いているのか……





知りたい!!!




壱吾クンが何か答えようとする前に苺ちゃんはぽくっとイヤホンの片側を引っこ抜き自分の耳に当ててみた。




苺ちゃん、一つの事が気になると他が見えないタイプだ。









『――――9465764078951269468398352595709825822620522489407726719478268482601476990902640136394437455305068203――――』






耳に入ってきた御経のような怒濤の数字エンドレス。





「ZZZZ………」







かくん、と首を折ってゆらゆらと船をこぎ出した苺ちゃん。



壱吾クンは冷静に苺ちゃんの耳からイヤホンを引っこ抜いた。