「なんで目反らすの?」



「……別に…」





壱吾クンは以前付き合っていた女を思い出した。



アレはイイ雰囲気になってキスしようとした時。


意気込んで見詰めたら―――




女は途端に震えて泣き出した。





『ゴメンッ!何か怒らせたなら赦して!!殺さないでーっ!』





壱吾クン、どんだけ鬼気迫る顔してたんだ。




しかし、下心満載の男の顔なんて大抵見られたもんじゃねぇだろっ……


と、壱吾クンは心中で虚しいフォローをしてみる。






ともかくそんなワケで女の子と視線を合わせるのが絶賛トラウマ中な壱吾クン。


苺ちゃんにまで泣かれたらトラウマの上塗り




………二度と立ち直れない。