「ナオミ先輩!」

俺はそう言って、先輩の肩をポンと叩いた。


「っだぁ! 触るな、水島キリ!! それに、見川先輩って呼べって言ったでしょ!」

厳しくそういうのは、見川ナオミ先輩。



年は2歳差。

1年と3年……離れてる。


仕方ないだろ。

ただ、好きになってしまった人がその人だったんだから。

年の差ぐらいで、人を好きになるのがいけないのか?


「節度を守って行動して!」

ナオミ先輩の言葉に、俺はニヤリと笑って見せる。


「なんでですか? いいじゃないですか」

「良くない!」

「でも、俺はナオミ先輩が好きなんですよ」

「だからでしょ、馬鹿後輩!」


少し目を潤ませ、キッと睨みつけてくる。

好きと言った途端にコレだから、男慣れしていないのが丸わかりで、つい笑ってしまう。