バス停に着いた。
まだバスは来てないみたい。

よかったぁ〜

ケータイをいじっているとバスが来た。

定期券をかざして座席に座る。

あぁ〜葵依斗、早く帰って来ないかな…

結婚してるのに私は片想いしてる子みたいに葵依斗にベタ惚れ。

あ、次で降りなきゃ。
そう思って降車ボタンを押した。

バスを降りるとすぐそこに葵依斗の実家が見える。
葵依斗の実家は一軒家で結構新しいと思う。

「こんにちは〜眞柚亜です。」

インターホンに向かって名前を言う。

そしてドアが開き、まだ若い亜季さんが出てきた。

「こんにちは。今ね〜、叶也と叶羅、ちょうど寝ちゃったのよね〜。まあ上がって。」

「お邪魔しまーす」

リビングに入ると叶也と叶羅がスヤスヤと眠っていた。

―パタン―

「眞柚亜ねえちゃんだぁ!!」

「こんにちは。」

元気にリビングに登場(?)したのは葵依斗の弟で小5の明日斗(あすと)くん。クールな葵依斗とは真逆でフレンドリーな性格。

「明日斗、今日も眞柚亜ちゃん送っていって。」

「はぁ〜い。」

「いつもすみません。」

「いいのよ。気にしないで。明日斗は眞柚亜ちゃんになついてるし、子ども2人も抱いてバス乗るの、大変でしょ?」

「ありがとうございます。」

明日斗くんは、赤ちゃんを抱くのを手伝ってくれる。
うちの最寄りのバス停で降りて、すぐに家に帰るバスに乗り換える。
さすがに赤ちゃんを2人も連れて帰るのは大変だから、とっても助かってる。