今日も思いっきり部活で走ってきた。俺は陸上部の短距離ランナー。
子どもがいるのに部活に打ち込めるのは眞柚亜のお陰。授業が終わると買い物に行って、叶也と叶羅を迎えに行って、おいしい夕食を作って待っててくれる眞柚亜には頭が下がる。
俺は小さい頃からあまりしゃべらなくて、クールとか言われてたけど、俺だって一応人間だし、心の中には色々感情もある。ただそれを口に出さないだけ。でも眞柚亜はそれを分かってくれた。
そんな事を考えていると電車が駅に着いた。階段を下りて改札を通ると風が俺の頬をなでた。マンションは駅の目の前。

家に着くと眞柚亜が作った夕飯のいい香り。
「お帰りーー」
俺に気づいた眞柚亜が笑顔になった。ガラに無く、可愛いと思う。
クール顔の眞柚亜がえくぼを作って微笑む姿は癒される。

眞柚亜の作ったカラアゲを食べて、叶也と叶羅を風呂に入れる。小さい子は本当に可愛い。プルプルした肌に温かいお湯をかけると大きな瞳が気持ち良さそうに細くなった。

風呂から上げて服を着させて寝かせて、俺と眞柚亜はリビングで勉強。

「じゃあ俺風呂入るね。」

「うん。」

ゆっくり湯船に入りながら好きな経済小説を読む。この時間が1番リラックスできる。
だから風呂に入るのが楽しみになる。