「はぁはぁはぁはぁ」
パーカーと長いジーパン姿の16-7辺りの子供が何かを大事そうに抱えながら誰も住んでいないようなビルとビルの細く暗い通路を走っている。

そして反対側からも、同い年くらいのT-シャツとジーパンの子供が走ってくる。

当然ながらお互いは気づいていない。

だから、当たり前のようにお互い激突した。

「痛っ!どこ見てんだょ!
...え?それ子供?」T-シャツの子供が怒鳴った。

「医者、医者は居るか?」と叫び返した。