結局言葉も見つからず、俺は病院を後にした。



「いつも通りでいいんだよ、私もその方が助かるし」なんてあの後織は言っていたけど、やっぱりそういうわけにもいかなかった。

いきなり周りが何も見えなくなるなんて、俺がそんなことになってしまったらきっと発狂してしまうんじゃないだろうか。

どうして織はあんなに落ち着いていられるのだろう。

「……小田原は、強いな」



寒空の下、俺は小さく呟いた。