家に連れて帰ってくれると思っていたが、ついた先は、いつもの病院。

「渉、私、病院行きたくない」

「わがまま言わないの」

病院に着くと、渉は、白衣に着替えるために先に行った。

私と雅は受付で事情を話し、渉や翼が働いている特別科と言う、難しい病気の患者さんなどを受け持っている科に案内された。
特別科に来る患者さんは少ないため、普段は、色々な科で働いている。

しばらく雅と二人で待っていると、

「雅、雫、大丈夫か?渉さんが行かなかったら黙ってるつもりだったんだろ」

翼が呆れながら言った。

翼が言っていることが当たっているから、何も言えなかった。