身長。

私の身長は146cmしかない。


市橋先輩に整った顔立ちやスラッとした手足を与えた神様は、私には平均的な女子高生の身長を与えてくれなかった。


「モデルさんみたいじゃなくていいから、せめて普通が良かったよ~!!」


泣き喚く私を雑巾でも見るような目つきで一瞥した後、夏希は肩をすくめて現国の教科書に視線を落とした。


「夏希の薄情者~」

「ちぃちゃんは可愛いから大丈夫だよ~」



冷たい夏希にブーブー文句を垂れだした私を気遣ってくれるあみちゃん。


「ホントに?」

ガバッと詰め寄り、あみちゃんの手を両手で包んで真正面から見つめる。


「うん……ってきゃ!!」


しっかりと頷いてくれたあみちゃんに私は文字通り飛びついた。


あみちゃんは私の癒やしだー!!

あみちゃんの華奢な身体を抱き込み、柔らかな胸に顔を寄せて思う。


私、やっぱり幸せ~~!!


訳の分からない幸福感に精神が犯されていくのがわかる。

けど、構わない。


誰が何と言おうと、私は幸せなの。

そう、誰が何と言おうと……。