「それじゃあ私急ぐから掃除当番代わりにお願いね」
伊佐原くんに掃除当番を押しつけ、私に手を振ってスーパーマンみたいに教室を出ていくちーちゃんの姿に頬が弛んだ。
恋してるなぁって。
私も恋愛はしてるけどね、ケイくんと。
今日もカフェで待ち合わせしてるんだ~。
「ったく、何で俺が……」
箒片手に文句を言いながら、それでもちーちゃんの当番を代わりにやってあげてる伊佐原くん。
彼って、とってもいい人だと思う。
「伊佐原くんって、ちーちゃんのお兄ちゃん……ううん、お母さんみたいだよね」
「……は?俺がアイツの母さん?」
私の言葉に掃除の手を止め、首だけ動かしてこっちを見る伊佐原くん。
眉間に皺が寄ってますよ~。
「うん、お母さん。ちーちゃんのことが可愛くて仕方なくて、色々過保護になっちゃうんだよねー」
私がそう言うと、伊佐原くんの眉間の皺が更に濃くなった。
毎日元気なちーちゃんとそんなちーちゃんをやきもきしながら見守ってる伊佐原くん。
そんな二人を見てると、毎日とっても楽しいです。
ケイくんといるのも楽しいけどね。
早くお掃除終わらせて、会いに行かなくっちゃ。