渉とも話す機会が減った


「大津、ちょっと良い?」


昼休み、真剣な顔をした高瀬に声を掛けられた


久田が居るからどうしようも出来ない


「久田さん、コイツ借りてくね?」


笑っているけど目が笑って居ない


高瀬に連れられて来たのは屋上


「大津、杏花と別れたって本当なの?」


俺は小さく頷くしか出来なかった


「杏花と別れたと思ったら新しく彼女作ってるし。杏花は笑って誤魔化してるけどいつも泣きそうなんだよ?」


「俺だって杏花のこと好きだよ。だけど、アイツが居るから杏花に近寄れねーんだ」


久田の目は常に杏花を追っている


杏花は久田に何かされてるのか?


「彼女を守るのがアンタの役目でしょ?杏花だってアンタと一緒に居たいんだよ!!」


それは俺も良く分かってる。