「変な杏花…」


「良いじゃん。今日くらい素直になっても。」


……それもそうだな。


「もう、帰らなきゃ…」


時計を見ると6時過ぎ


夏だから外はまだ明るい


歩香は敏文さんと出かけてるからしばらく帰って来ないはず


「送って行く」


「大丈夫だよ。1人で帰る。だから、今日は此処でお別れね?」


「じゃあ、送って行かない代わりにキスさせて」


俺は、今までで1番甘いキスをした


「蒼依は相変わらずだね。でも、そんな蒼依が大好きだよ?」


そう言った杏花の目から大粒の涙が溢れた


「なに、泣いてんの?」


「あたしだって泣きたくなるの。じゃあ、帰るね?」


杏花を玄関先まで送る


「また何処か遊びに行こうな?」


「うん。またね?さようなら」


杏花は精一杯背伸びをしキスをしてニコッと笑って出て行った