「千秋ー、何してるのー??」
「ハーイ、ちょっと待ってー!!」
「もう!
入学式そうそう遅れる気!?」
「なんか、入学式って言ったって、変わんないもん。
あたし、内部生だし、先生も知ってるし……」
「それもそう、ね」
なるほど、そう言って、妹の制服姿をまじまじと眺めた。
「夏美、制服似合ってんじゃん」
ニッと笑って妹、夏美のネクタイを結びなおした。
妹の夏美は中学の入学式。
「お姉ちゃんありがとー♪」
鏡の前でクルッと一回転してよしと笑顔で自分をながめた。
あー、いい子がいるかなぁ!!
なんて小声で喋りながら髪の毛を整えに行った。
「千秋、ほんとにいいの??
入学式、途中で顔ださなくて。」
「大丈夫だよー!!
友達作りなんてしなくてもいるから
緊張しないし!!」
「そう。
あら、こんな時間!!
夏美!!電車乗り遅れるよー!
じゃあ千秋、行ってくるね?」
うん、と笑顔で答えるとさっさと行っちゃったお母さんと夏美。
千秋、高1の春。入学式。