『ママぁ、ゆうくん、今日はお家、くるー??』

『今日はこないの。』 



毎日そう聞いてはソワソワソワソワ。

『千秋、今日は優真くん、くるよ??』

『ホントー!!
ゆうくんきたらねぇ、お姫様ごっこするのぉ!!』

優真とお姫様ごっこは日課。




ねぇ、優真??

元気ですか??


あたしたちは、学年は違うからずっと一緒なんて、学校ではムリだった。

その分、放課後はビックリするくらい
沢山遊んだ。



優真はしきるのが上手くて、クラスの中心で
みんなからの信頼もあって、賢くて、運動神経もよくて、その上カッコいいから
モテまくってた。

あたし、ずーっと優真捕られないか
心配ばっかりしてて。

けど、思いが通じ合った日、すごく嬉しくて、ポロポロ落ちてくる涙なんて止まんないから、必死で笑った。

でも、その後の優真の言葉で嬉しい涙は、悲しい涙に変わった。


『俺、引っ越すんだって。』

辛い笑顔の君。
それでも、笑顔を崩さないでいてくれた君。



家が隣同士で、親同士が親友。

あたしたちは昔から、これからもずっと一緒って信じてた。


『千秋、ごめんな』

あたしは何もいえず、ただ、ひたすら泣き続けた。


千秋、小学5年生
優真、小学6年生の梅雨の日。

その日は梅雨明けかって思うほど湿気てもなく晴れていたのに
夕方になって、雨が降り出し、それは
増ばかりだった。