-春、知らないの?-



先生の講義を一番後ろの席で聞きながら,さっきの悠の言葉がやけに引っかかっていた。



「・・・・・・。」
「・・・・・・。」
「・・・・・・・ねぇ,悠?」
「ん??」
「私,何を知らないの??」
「あー・・・・・・。」


悠はそう言いながらシャーペンを回し始めた。


「てか,本当に何も知らないの??」
「うん,ごめん;;」
「まぁ別に教えちゃいけないことぢゃないけどね。」
「??」






「バスケ部,今年の夏は大会でれなかったんだよ。」






大会・・・・でれなかった??






「なんで??」
「部員が暴力事件おこしちゃったんだって。」
「暴力事件!!!??」


つい大声をあげた私に,先生が注意した。





「だ・・・誰が!?」


ヒソヒソ声で悠に問う。



「あんた,本当に何も知らないんだね;;」
「ご・・・ごめん;;」


噂とか,流行りものとか,まったくスルーな私は完全に乗り遅れていたようだ。


「やめたぢゃん,先輩が1人。」
「え?部活を??」
「違うよ,学校を!」
「うそ。そうだっけ;;ダレ!?」

















「瀬川翔。」