その日の夜は,なにも夢を見なかった。
見たかもしれない。
覚えてないだけかもしれないけど。
その夢は真っ黒だった。
「・・・・学校行きたくないな。」
お母さんはびっくりした顔をした。
「どうしたの?具合でも悪いの?」
「うん。なんかからだが。」
仮病・・・・してもいいよね?
「珍しい。今日は休んだら?」
「・・・・・。」
―ありがとう・・・な―
「午後から行く。」
「え?」
「学校に電話しといてくれる・・・?」
行きたくない反面,行きたいという気持ちもあった。
彼の笑顔が見れたら,また頑張れそうな気がした。