体育館のドアにはかぎがかけられている。
たくさんある窓も一つ残らず鍵がされている。

けれど・・・・







「あいてたぁ!!」


体育館倉庫の窓の鍵は忘れられることが多い。


「セコムとか平気なん?」
「大丈夫!!うちの高校は校舎にしかないから!!」
「そぉなんだ。」



時刻は夜の10時。
生徒も,先生ももういない。

と,思う・・・・;


体育館は真っ暗で,月明かりだけがフロアを照らしている。



「マジこえぇ!」

ドリブルしながら彼は無邪気なことをいう。


「カケルくんのこわがりぃ!!」

そう言って私はボールを奪う。


「あ。」
「へへぇん!!」

実は取れると思ってなかった私は若干嬉しかった。

「やられたわぁ。」

そう言って頭をかくカケルくん。


「何,相手してくれるのか?」
「・・・・いいよぉべつに?」

私はゴールにシュートを打つ。



当たるどころか届かなかった。


「あれぇ!?」
「エアボール。」
「むっ。」
「もっと力強く打ってみろよ。」


「ゴールはいったら,1ON1しようぜ?」