それから、私とカケルくんは何も話さなかった。
あたりが暗くなったところで,カケルくんが立ち上がった。
「帰る?送るよ。」
「あ・・・・はい。」
私は彼の横で歩く。
お礼・・・・言わなくちゃ。
’自信持てよ‘
その言葉になんだかすごく救われた。
心が軽くなった。
私はお礼を言うタイミングを失った。
「家・・・ここなんです。」
「そっか。」
「あ・・・・あの・・・・。」
「?」
ありがとう
でも何にありがとうって言えばいいのッ!?;
「え~っと・・・;;」
「・・・・・?」
「その・・・ですね。」
「あぁ、ハンカチ?」
「え!?」
私が渡したハンカチを,彼がまだ持っていた。
「ごめんなさい!!持たせちゃって!!!」
私は手を出した。
でも彼は渡さない。
「・・・・・・。」
「・・・・・・?」
「次会った時に返すよ。洗濯して。」
―またね―
「え・・・?」
「あの場所でどうせ会うだろ?」
「またね。」
そう言って、カケルくんは行ってしまった。
また会える
なぜか嬉しかった。
また会っていいんだ。
また会えるんだ。
また勇気をもらえる??
「あ。お礼言うの忘れた;;」