最後のページにたどり着いた。


「あ、ねぇねぇカケルくん!!」

「ん?」

「カケルくん,今度からバッシュ持ってきたらどうかな?」

「・・・・・え?」

カケルくんはこっちをむいた。


「そしたら『音』いつでも聞けるよ!?」

「・・・・・・。」

「自分の『音』が聞けるよ!?」

「・・・・あ・・・あぁ。そうだな。」


私はナイス提案!なんて・・・・ばかみたいなことを思っていた。


そして





「カケルくんってどんなバッシュ履いてたの!?」

「・・・・・。」

「この中ならどれに似てるやつ!?」





私は,きっとノリノリで答えてくれるだろうと期待していたんだ。




「あ・・・あー・・・えっとコレ。これと同じやつ。」

「かっこいい!高そうだね!」

「うん。高かった。高校入学の祝いに自分でバイトして買ったんだ。」

「え!?中学校からバイトしてたの!?」

「いや,中学卒業してすぐバイトしたんだ。短期のやつ。」

「へぇ!」

彼が指さしていたバッシュは,真っ黒のナイキのバッシュだった。

何の飾りもない,逆に珍しそうなバッシュ。