殴った・・・・?



「そいつを・・・そいつの意識がなくなるまでずっと・・・・」

「・・・・・・」

「それで俺・・・・・」



カケルクンはぎゅっと下唇を噛んで・・・・悔しがっていた。

きっと・・・殴る気なんかなかったんだ。

そうなんでしょ?




「こわい?」

「え!?」

「こんなの・・・こわいか?」

「こわくない!!!」

私は大声を出した。

「なにか訳があるんでしょ?訳があったんでしょ!?」




「そんな・・・そんな自分を責めないでよぉ・・・・」





かれはきっと責めている。

自分を・・・・


手を出してしまった自分を・・・・









「・・・・ありがとう。」








電車が,駅に着いた。