泣きやんだ彼はまた私に誤った。

そして,私の顔を一切見ないで手を握って,『学校,戻るだろ?』って言って私の手を引いた。

電車に乗り込んで学校に戻った。

決意が強くなる。

言おう。

いけないことはしっかりと・・・

自分のためにも,彼女のためにも・・・・


チラっと彼の横顔を見ると,ととえもさみしそうな,真っ赤なウサギみたいな目をしてうつむいた彼がいた。

心が痛い・・・


なにかしてあげたい。

彼に何かしてあげたいのに・・・・


どうしていいのか私にはわからない・・・・







電車が止まる。

駅は次の駅。

人がたくさん降りていく。




「!?」

私は立ち上がって彼の前に立った。