陣と絵理は互いに顔を見合わせ、そのあとに続く。

「出来たか」

 ドアを開くと、ベリルが壁に背中を預け腕を組んで待っていた。

「空港に送ってもらえますか」

 相変わらずの棘を出しつつ口を開くと、

「構わんが」

 ベリルも相変わらず無表情に応える。

「日本では警察に頼むと良い」

「どういう意味ですか」

「その説明をする」

 言われてしまっては従うほかはない、仕方なく渋い表情でベリルの背中を追った。