感情の起伏がほとんどなく、心の読めない瞳をしている。

 ベリル──緑柱石から造られる宝石の総称だが、目の色で名付けたのだとしたら、これほどぴったりな名前はないだろう。

 少しの動きで揺れる金のショートヘアにクセはまるで無く、きりりとした目尻に切れ長の瞳、すらりと伸びた指は気品を漂わせていた。


 ただそこにいるだけで強い存在感を放っている青年に、3人はこれから起こる出来事を図りあぐねていた。