「本当に助けたのかな」

 つぶやくように棘を発した青司を、陣が目でいさめる。

「本来は私の仕事ではないのだがね」

 表情を変えずに青年は語り始めた。

「たまたまこちらに流れてきた情報を放置する訳にもいかず、確認も兼ねて探っていた」

「随分と怪しいですね。何者かもまだ明かしていない」

 一応は年上に対する敬語を使用しているようだが、どう見て取ってもその言葉に敬意は感じられない。