「彩人くんに無視されたの?」





 泣き止んだ私に、ちーちゃんはそう訊いた。





「うん。。なんでわかったの?」



 本当に、切実にそう思った。


 なんでわかるんだろう…?


 もしや、エスパー…?



 とかね…!



 彩人くんにもそう思った気がする。



「昨日から思っていたのよ。こんなことになるなら言っておけばよかった…ごめんね。」




 心底すまなそうにちーちゃんは言ってきた。



 昨日からわかってたのか…





 ちょっぴり、先に言ってほしかったけど、それは言わないことにした。





「ううん。聞いてたとしても、落ち込むのは一緒だったよ。だから、謝らないで…?」


「うん、わかった。・・・あのさ、昨日も言ったけど、翔流に訊いてみたら?」



 彩人くんの双子のお兄さん、翔流くん。


 彩人くんが何にも話してくれないなら、他の人に訊くしかない。



 だったら、わずかの可能性を信じて訊いてみよう!










「うん、そうするよ!」


「よし!・・・C組だからね。」


「うん、ありがとう!」




 『もうそろそろ戻りなさい』とちーちゃんに促されて、教室に帰った。