・・・彩人くん、お兄さんいたんですか…?

 しかも、双子の。



 初耳なんですが…?




「えっ?!もしかして知らなかったっ!?」


「・・・うん。」


 ちーちゃんはすっごく驚いた顔でこっちを見てる。


 だって、知らないもんは知らないんだもん!





「うそっ?!ありえないっ?!だって、先輩から後輩にまでモテてるって有名よっ!しかも、今超人気のモデルなのよっ!」


「知らない…」





 今度は驚くを通り越して、呆れた顔をした。



 そんなこと言われたって、私は噂とかに疎いし、興味すらない。


 ちーちゃんは『呆れたー。あんた何も知らなすぎ!もしかしたら、私の方が橘のこと知ってるんじゃない?』と呆れながら言い、話を続けた。



「橘は4人兄弟で末っ子。上から順に、咲太(サクタ),咲夏(サキカ),翔流(カケル),そして彩人。…」



 それからちーちゃんは、橘くんのことを色々教えてくれた。





 教えてもらっているうちに、日は傾き、帰る時間になってしまった。





「そろそろ帰らなきゃね!」


「うん…」



 橘くんに全て任せてしまったけど大丈夫かな…?



 不安な気持ちで図書室に向かったけど、そんな不安はすぐに消えた。